【夢は不要】自分の気性に逆らわない仕事選びで、幸福度が上がる
夢や大きな目標がなく、自分を責めていた時期がありました。
それよりも、どうしたら失敗しないのか、損しないようにするにはどうすればいいかと考え、いわゆるポジティブに将来のことを考えることがなく、そんな自分が好きではありませんでした。
だけど、モチベーションは人それぞれで、大きな目標を持つのではなく、僕のように、損失を回避することをモチベーションとする人も、たくさんいるということを知って、だいぶ楽になったし、自分のことを認める助けになりました。
この記事では、仕事に対するモチベーションを「攻撃型」「守備型」に分けて、特に守備型よりに、夢や大きな目標が無くても、仕事を通じて幸せになれるということを書いていきます。
■モチベーションは人によって異なる
人間は不快なことを避けて、快楽を求めるものと考えられてきました。(快楽原則)
しかし、コロンビア大学の心理学教授エドワード・トーリー・ヒギンズ氏は、快・不快以外の別の指標があることを提唱しました。
人の動機には、ポジティブな結果を目指す「促進焦点」(以下「攻撃型」)とネガティブな結果の回避を目指す「予防焦点」(以下「防御型」)の2つがあるという、「制御争点理論」です。
以下、攻撃型と守備型の特徴です。
攻撃型
目標や夢の達成や得られる利益がモチベーションになるタイプ。
競争に勝つことやお金や名誉欲など外的報酬に強い影響を受ける。
大きな夢を持ち、ポジティブに考える。
成長できる環境があっている。
防御型
目標を責任の一種と捉えて、競争に負けないことがモチベーションになるタイプ。
失敗しないことを心がけて、注意深く仕事をする。最悪の事態を考え、時間に余裕がないことがストレスになる。ミスしないようにあらゆる可能性を考慮する慎重派。
安心感を感じられる環境があっている。
基本的には人はどちらかに分類されて、それぞれ快・不快に感じるポイントが違います。攻撃型の人は利益を得られたことを快、利益を得られなかったことを不快と考えるのに対して、守備型の人は、損失を回避することが快で、損失があると不快になります。
また、自分のモチベーションタイプは、努力によって変化するかどうかわからず、基本的には、自分のタイプに合っていると、働きやすい仕事ということになります。
まとめると
■えるばの焦点
ちなみに僕のタイプは、防御型です。なので、失敗しないように仕事をすることに向いているみたいです。
どうしたらミスを未然に防げるのかと考えることが多いです。なので損失を回避するための仕事でモチベーションを維持していけます。
もともとは攻撃型に憧れて、その道を目指しました。しかし元が慎重なタイプだったので、前職で攻撃型の環境に身を置いた結果、適応障害になりました。この焦点の不一致も原因だったのかも知れません。
慎重な人はについては「慎重さを磨く」に、活かし方をまとめています。
■攻撃型が有利じゃない?
現在、若い世代の中で流行しているのは、攻撃型だと思います。現在企業が求める人材も攻撃型にあたる人で、ビジョンや夢を持つことが義務みたいになっているように思います。
そして、攻撃型の方がクリエイティブに移り、影響力があり、かっこいいように映ります。なので、攻撃型のほうが、今の世の中有利じゃないのかと思ったりもします。
夢やビジョンを持つ人は、閉塞感ある時代において、輝いて見えました。僕みたいな意思の弱い人間は、そこに憧れていたし、羨ましかったので攻撃型になりたがっていました。
失敗しないように仕事をする自分を、劣っていると思ってもいました。
だけど、憧れの仕事や無理して作った大きな目標を持っていたとしても、意外に辛いです。情報に煽られて憧れで仕事を選び、自分のタイプとは違うことをすると、不幸になることもあります。
挑戦や夢を追いかけなくても、モチベーションを維持して、幸せに働いていけます。なので、あまりネット上のあおりに惑わされずに、自分のタイプに合ったことを軸に仕事を選んでもいいのではないでしょうか。
■焦点に合った仕事をする
憧れの職業につくよりも、焦点に合った仕事をするほうが、モチベーションも維持できるので、結果として、幸福度にも影響を与えます。
その他『科学的な適職』の中では仕事選び、正確には企業選びについての以下のような間違いと注目すべきポイントについて解説しています。
仕事選びにおける大罪
好きを仕事にする
給料の多さで選ぶ
業界や職種で選ぶ
仕事の楽さで選ぶ
性格テストで選ぶ
直感で選ぶ
適正に合った仕事を求める
徳目
自由(仕事のペースや順番を自分で選べるか)
達成(仕事が進んでいる感覚を得られるか)
焦点(自分のモチベーションタイプとあっているか)
明確(ビジョンや仕組みがはっきりしているか)
多様(多くの工程に関わることが出来るか)
仲間(自分と気が合う人がいるか)
貢献(人に貢献できていることを実感できるか)
安定や安心感を求めて仕事を選んだのに、今の仕事に不満がある場合は、焦点よりも、自分の中で優先する徳目があるかもしれません。なので、自分は仕事をする環境に一番何を求めているのか考えてみてください。
とはいっても、実際は入ってみないとわからないし、防御型と思っていた仕事も、実は攻撃型である可能性もあります。
■社員数をみて、自分に合っている企業を見極める
業界職種という話をしましたが、実際は業界や職種選びよりも、企業選びが就活や転職のメインとなっています。そのため、どの企業が自分のモチベーションタイプに合っているのかを知る必要があります。
しかし、自分に合っているかどうかは、実際入らないとわからないところでもあり、焦点を気にしすぎてしまうと、考えすぎてしまって、仕事選びに時間がかかってしまいます。
ただ、入社前から何もわからないというわけではないです。
一つの目安として、有効なのは社員数です。社員数を見ることで、企業が組織としてどの段階にいて、どんな人を求めているのかを予想することができます。
組織発達段階モデルを参考にすると、だいたい、フェーズごとにどんな社員が活躍しやすいのか、見えてきます。
攻撃型の人は、変化や夢を追いかける創業や拡大化ステージ、防御型の人は組織のルールや維持など、守るフェーズにいる公式化、最適化ステージの企業に目星をつけてみるのはどうでしょうか。
■自分の気性に逆らわないで、仕事を選ぶ
持ち前の気象に逆らわないことと書かれています。情報を簡単に入手できるからこそ、スピードや変化を煽られます。しかし、自分に合っているのは、スピードや変化ではなく、慎重さを認めてくれる業界です。
慎重な自分、心配性な自分を認めてくれるような環境に身を置くと、仕事において、幸福感を得やすいのではないでしょうか。