鈍感な世界に生きる敏感な人たち【まとめ】
HSPの方が、自分の資質に気づくきっかけになったり、自分を知ることが出来た
多くの方が、イルセ・サン著『鈍感な世界に生きる敏感な人たち』を読んだのではないでしょうか。
一方で、まだ読んでない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まだ読んでない方には、購入の際の参考に、既に読んだ方は復習や自分のことを周りに伝えるためのインプットにご活用いただければと思います。
■敏感な人たちの代表的な特徴
〇情報吸収力が高い
一を聞いて十を知るという言葉がある通り、一つの事象から受け取る情報量が多いのが特徴です。
受け取る情報量が多いとはどういうことかというと、一つの情報から、想像することが多いということ。または、一つの情報を受け取った時点から情報が細分化して、受け取るときの量が多くなっている人もいます。
それゆえに、個別の情報が多い、人混みや大勢の飲み会はキャパ的に限界を迎えるのが早いです。
限界を迎えると、適切な対応ができなくなります。
そのため本人としては、人に迷惑をかけないように、飲み会等を欠席したり、途中退席をするわけです。
しかし、事情知らない人からすれば、欠席や途中退席は付き合いが悪い人やノリ悪い人に映ってしまいます。
〇五感が鋭い
人によって、どの感覚が鋭いかは異なってくるけど、匂いに敏感だったり、肌触りに敏感だったり、音に敏感です。
そのため、不快に感じるものには、より不快感を示し、不快な環境に身を置くことで、ダメージを受けやすくなります。
人間より嗅覚の鋭い犬が、人間と同じ匂いを嗅いだら、人間より臭さによるダメージを負う感じに似ています。
ただ、ほとんどの五感の不快感は生活していれば、幼少期から感じていたものなので、大人になるころにはある程度、我慢できているようになっています。
ただそれは、我慢できるだけで、不快なのには変わりはありません。
〇ゆっくり考える
ゆっくり考えている間に何をしているのかというと、別の視点を追加しながら、一から考え直しています。
ただ多くの場合、ゆっくり考える時間は与えられません。
そのため、時に自暴自棄になり、衝動的な判断をすることがあります。
〇共感能力が高くなる
相手の求めていることに、無意識にアンテナを張っています。
良い面は、気配りができること。悪い面は、人の気持ちに左右されてしまいやすいです。
人は人、自分は自分という、境界をちゃんと引く必要があります。
■敏感な人たちが抱きやすい心の問題
〇自分に高度な要求をしてしまう
完璧を求めるあまり、そうあるための自分ルールの多さとレベルの高さで苦しんでいます。
なぜそこまで高度なルールを自分に課して、自分を苦しめるのか?
原因として自尊心の低さが挙げられます。
自尊心とは、無条件に自分に価値があると信じる心のことです。
自尊心が低いと、そのままの自分では、価値がないと思うため、今の自分より成長しよう、変わろうと思って、高度なルールを設定して、優秀になろうとします。
では、なぜ自尊心が低くなるのか。
自尊心の低さは資質ではないので、後天的、なので、生きてきた中で、培われたものと考えるべきです。
では、どうやって培われたのか・
多くは、育ってきた環境です。
自分の気質に合わない環境で、親や友達をがっかりさせてしまって、今のままの自分ではだめだと思ってしまったことが、きっかけだと感がられます。
子どもって、親の反応を敏感に察知して、期待に応えようとするので。
また、友達と人間関係において、自尊心が低いと、頑張らなければ、輪に入れてもらえないと思ってしまいます。
友だち100人つくることが、正義ならば、それができない自分を責めます。
さらに言うと、自分ルールの基準の高さ故に、ルールを守れない自分を責めることもあります。
高度な自分ルールという心の問題を解決するには、ルールの撤廃が必要になります。
ルールを撤廃しても、大丈夫と思えるような、成功体験を経て、低くなってしまった自尊心を取り戻すことです。
現状、ルールを撤廃することが怖ければ、同じように敏感な人が集まる場所に赴いて、低いハードルの中で自分を慣らすといいです。
ちなみに、ルールを課している状態を辞めると、人が離れていくことがあります。
でも、残ってくれる人もいます。
離れていくのはしょうがないので、残ってくれた人との関係を大切にしましょう。
ルールをなくすことは、勇気がいることなので、ゆっくりでいいし、人が離れたとしても、まずは勇気を振り絞った自分をほめていいです。
〇憂鬱になりやすい
安全な環境で育つことが出来なかった場合、恐怖や憂鬱になりやすい
そして、憂鬱なまま将来や現在の問題を考えるとネガティブに方向に思考がすすんでしまいます。
憂鬱さをなくすのに、睡眠を取り入れる人もいますが、それよりも成功体験を積み重ねる。
どんな小さくてもいい。
外に出て公園まで歩くでもそれは成功体験になる。
ただ、無理に楽観的にならなくてもいいです。
〇怒りを出せない
相手の気持ちを察知しすぎると、自分の言った言葉によって、相手を傷つけてしまうことを良しとせず、結果的に怒りを人に対して向けなくなります。
ただ、怒りを出せないといっても、別に怒っていないわけではないので、限界を迎えると、周りの人がびっくりするくらいの爆発したり、または、怒りを向けることが出来ず自分を押し殺しすぎて、鬱っぽくなってしまう。
怒りをためないためにすべきことは、適切なタイミングで相手に「NO」を言っておくこと。
「NO」と言うことは、長期的に見たときに、我慢するよりも、人間関係を円滑にします。
なぜなら、「NO」は「YES」よりも、自分の考えを主張することで、考えの主張は自分の腹の中を見せる行為だからです。
■鈍感な人たちとの付き合い方
〇自分の特徴について周りに伝える
周りが寛大な人たちならば、自分はHSPや敏感な人です。というだけで、自分のことを理解してもらえることもあります。
出もそのようなケースは非常に稀で、下手をすると、「怠け者」や「めんどくさい人」というレッテルを張られることにもなります。
そこで、自分のことを伝えるとき、HSPや敏感な人という表現を使わずに、
「自分が何を必要としているのか」
「何に秀でているのか」
「何が上手くできないのか」
を伝えるようにしましょう。
本書の中で一番大事だと思ったので、そのまま引用させてもらうと、
大切なのは、ほかの人たちに「私に特別な才能や制約があるのはHSPであるからだ」と知ってもらうことではなく、私自身がHSPのことを理解し、自分と同じような人がいることを知っておくことなのです。
理解が深まれば、HSPや敏感な人という表現をしなくても、自分のことを周りに伝えらえるのではないでしょうか。
以下の本では、自分を理解することと伝わりやすい言葉選びを学ぶことが出来ます
〇対話をする
敏感な人は、時に聞き役に徹してしまうこともあります。
だけど、鈍感な人と付き合っていくには、聞くだけなく、自分のことも話す「対話」が必要です。
「対話」することで、お互いの理解が深まります。
■終わりに
人に伝えたり、自分の生活に活かすには、まずは知らなければいけません。
そして、知る段階に行くには、先に「気づく」があります。
気づくには、自分で見つけるか、教えてもらうかです。
全員、自分で見つけられればいいですが、なかなかそうもいきません。
なので、気づかせてくれる人が必要なんです。
誰が気づかせる人になるのか?
それは、既に知っている人です。