親への恩返しを考えなくなると視野が広がります
育ててくれた両親に対して、「恩返し」したい気持ちを持っている人は多いと思う。
それは、良い考えだと思う。
でも、「恩返し」をすることを少しでも負担に感じてはいないでしょうか?
特に、真面目な人ほど恩返ししたいと考えすぎて、今の自分に余計な負担を強いて生活しているかもしれません。
例えば、キャリアやライフスタイル、住む場所を決める際、恩返ししたい気持ちを優先して、自分の欲求を抑えていはいないでしょうか?
もし、「恩返し」に負担を感じているなら、いっそ恩返しをしなければという気持ちをなくしてみるといいです。
考えてみると、「恩返し」なんて、要らないかもしれません。
■恩返しは義務ではない
まず、恩返しは義務ではありません。
あくまでも権利です。
義務ではないということは、恩返しってしなければいけないことではないです。
恩を返すということは、何かに対して、恩を感じているということだと思います。
子どもである僕たちにとって、親に感じる恩は、育ててくれた恩ではないでしょうか?
自分にお金をかけてくれたこと、食べさせてくれたことなどすべて恩に感じます。
高校時代、家庭科の授業で、自分を育てるためにかかる費用を算出しました。
計算結果は安く見積もっても、1500万円で、とんでもない額だと感じました。
こういうところから、恩を返さなければと思うようになると思います。
そして、恩返しということは、何かを返したい気持ちを持っているということになります。
ということは、逆に自分からは何もせず、一方的に、恩を受けただけと感じているのではないでしょうか?
それは間違いです。
1500万円をただ貰っているのではなく、自分も何かを与えています。
それは、育ったことです。
成長を見せたことも立派な価値であり、恩に報いた行為と考えられないでしょか?
人は見えないものを軽視しすぎるので、価値を感じないかもしれません。
特に、自分にとって、当たり前のことについては、気づきにくいものです。
育ったことは親にとって、価値のあることだと考えられないでしょうか?
親は仕方がなく、育てていたわけではありません。
成長してもらうことに価値を感じていたからこそ、育てていたんです。
まずは、自分は一方的に受け取っていたわけじゃないという事実を知りましょう。
■恩返しは今を殺す
少し乱暴に書きすぎました。
社会に出て、まだ自分の生活に余裕もないのに、恩返しを最優先にしている人に会いました。
とても立派だなと思ったと同時に、自分をどうしていきたいかはないのかなと思います。
そして、自分の可能性を狭めていると感じました。
やりたいこと、得たいことを無視しています。
やりたいことを無視していると、今は恩返しできても、どんどん自分を苦しめます。
そして、介護や老後など、本当に助けなければならないとき、助けられないかもしれません。
親と自分は違う人間です。
親に恩返しをするためのキャリアを歩む必要はありません。
恩返しは、自分の進みたいキャリアを歩んで、余裕を持ってからでいいです。
順番は
養護→自立→自己投資→余裕→恩返しってぐらい、恩返しを後回しにしてもいいのではないでしょうか?
■親は求めていない
勘違いしがちなのが、親は恩返しを求めているという考え方です。
親は恩返しを求めてはいません。
それよりも、育ってくれることを考えているのではないでしょうか?
親は自分だけで幸せになれます。
恩返しをしなければ親は幸せじゃないとか、考えなくていいです。
勝手に幸せになります。
むしろ自分から離れた方が、時間やお金を親は自分に回せるので、早く自立する方ことで恩返しになります。
もし、親の方から恩を返せと言ってくるような場合は申し訳ないけど、いわゆる「毒親」なので、なおのこと離れてください。
親の幸せを願うなら、すぐに恩返しすることよりも、自立して、1人の人間として、親と対等な関係を結ぶことを考えましょう。
■恩返しをするとき
とはいっても、小さくてもいいから、恩返ししたいという気持ちはあると思います。
それ自体は間違いではないです。
ただ、自分を苦しめてまで恩返ししようという行為は間違っています。
自分を苦しめてする行為は、誰のためにもなりません。
それでも、気持ちだよと言われるかもしれません。
確かに気持ちは大事です。
でも、本当に気持ちを大事にするなら、質にも気を配るべきです。
量で気持ちを表現するのは、押しつけではないでしょうか?
それってもう、感謝ではなく、エゴです。
では質を高めるにはどうすればいいかというと、
今は養護→自立→自己投資→余裕→恩返しの自己投資をすることです。
自己投資と言っても、キャリアのために何かを始めるという難しいことではなく、自分のやりたいこと、欲に忠実になるだけでいいと思います。
恩を返したければ、自分自身幸せにしてからの、その余りもので価値のあるものから返せばいいです。
■親への恩返しを考えない生き方をする
親への感謝として、恩返ししたいという人は多いです。
でも、恩返しにとらわれすぎて、自分の生活や心を苦しめてしまうこともありません。
それだったら、まずは恩返ししなきゃという考えを捨てて、今自分のやりたいことを探したり、実行することに集中することが大事です。
それで、うまくいって余裕が出来たら、また恩返ししたいを拾えばいいです。