「ダンバーの数」から考える物の整理
「あれってどこに片付けたっけ」
「捨ててしまったんだっけ」
そう思って家の中にあるものをさがすのに苦労したことはありませんか?
それはもしかしたら自分の管理できる量を越えているからかもしれません
ダンバーの数
ダンバー数とはダンバー博士が脳の大きさと群れの大きさの比例関係に気づき確立した理論で、この数字が安定的な人間関係を築いていける限界であることが分かっています
脳科学の中にダンバー数というものが存在しますこれは人間関係を良好に構築していける霊長類のキャパの数なんですが、人間などの霊長類は150までと言われています
そしてさらに細かくすると、関係が濃い順に「5→15→50→150」ぐらいが一人の人が関係を築けるおおよそ人数であるということが分かっています
この理論は主に組織構築や個人の人間関係を構築する戦略として紹介されてきましたが、僕は所有と管理にも当てはまるのではないかと考えています
管理できるものには限りがある
人とうまく関係性を気付いていける数が限られているように自分の所有し、管理できるものにも限りがあるのではないでしょうか
そして多くの人が管理できる数を越えて、物に管理されてしまうような生活をしているのではないでしょうか
人によって偏りがあると思いますが、僕たちは一人だいたい4000のものを所有していると言われています
ですが、そのほとんどのものはいつ使うかもわからないものや何に使うものかわからないもの、昔使っていたけど今はもう使わないものなのではないでしょうか
確かに思い出深い品や何かに使うかもしれないものは取って置きたくなるものだと思います
ですが、それらのものが知らず知らずのうちに自分を苦しめるものになっているかもしれません
そして、実は生活していくためには4000のうちの1割ぐらいで十分なのではないでしょうか
単純にダンバー数に置き換えたとしたら
5→ 毎日使うもの
15→ 週1で使うもの
50→ 月1で使うもの
150→ 年1使うもの
ぐらいの割合になり、実はこれだけで生活していけると思います
自分の家に物はいくつありますか
家にあるものをすべて把握しているでしょうか
家の中には物であふれかえっています
人間は使わなくてもいつか使うかもしれないと思うとついつい取っておいてしまう
それはやっぱり取っておいてよかったという成功体験がそう思わせているのかもしれません
ですが、その成功体験ってとっておいたものの1割にも満たないのではないでしょうか
なんとなくおいてあるものは思い切って捨ててみるのはどうでしょうか
断捨離は一時期ブームにもなり結構いろんな人がやっています
もったいないと思っていてもそれは数値化しづらいストレスとなってあなたをむしばんでいます
それにいまはもし必要になったらどこでも買えるし、ネットで買えば家にいるだけで届きます
把握しているという状態は、使う用途がわかっている。使うときにすぐに取り出せる。保存場所が分かっている。
そして整理されているとは、場所と用途に加え、取り出してからしまうまでがはっきりしている状態のことです
捨てたっけというのと、どこかにあるっていう言葉がなくなるといいです
そうじゃなくてここにないならないとわかるようにすることがいいです
捨てるのではなく預けているという感覚
ここで問題になってくるのが捨てることに対する罪悪感です
日本人は特に「もったいない精神」が根強く残っていて使えるものを捨ててしまうことに罪悪感を抱きがちです
ですが、捨てられたないということは、出ていくものが少なくて、入ってくるものが多くなっている状態なので、結果的に物は増えていきます
増えていくと結局また管理が難しくなり、どこに何が分からない状態を繰り返すことになります
そこで、この「捨てる」という感覚を預けるという感覚に変えてみるのはどうでしょうか
例えばもう読まない本が捨てられないというとき
古本屋やAmazonに預けておくと思って、捨てたり、売ったりする
もしまた読みたくなったらまた中古で買えばいい
自分の手元じゃなくて、別の倉庫をもってそこに預けておいて必要な時にまた取りに行く。それぐらいの軽い気持ちで手放してみる感覚を持つと捨てることが楽になります
まとめ
人間関係に使われることの多いダイバー数はモノの管理にも当てはまります
一人の人間が管理できるものには限界がありますが、それを多くの人がオーバーしているためにものに振り回されてしまいます
そうではなく自分の管理できる範囲のものだけを所有して、あとは捨ててみるというのが精神衛生上良いと考えます
捨てることに罪悪感を持ってしまうなら、捨てるのではなく、自分の家以外の倉庫に預ける。必要な時にまた取ってくるという感覚で罪悪感を消して身の回りを整理し、物に支配されないことが心の余裕に繋がります