明文化されていない民主主義【同調圧力】
世の中なんでも自粛のムードが漂っていますね
こういう自粛ムードの時は必要な分だけならいいのですが、いつも過剰なような気がしています
そしてそのムードの輪を乱そうものなら一斉に攻撃しだすのは集団が国になろうと、学校の一クラスになろうと変わらないのかもしれません。学校は社会の縮図とはその面ではあっているのかもしれません
このようなムードとそのムードを壊すことに過剰な反応をしてしまうのも同調圧力というのかもしれません
同調圧力の何が怖いのか考えると、明文化されていないことにあると思います
民主主義は憲法に書かれているからこそ効果が発揮されますが、同じような効果を持つ同調圧力はどこにも書かれていません
でも従ってしまうのは、空気がそうさせていると思います
そして同調圧力は多数派という大義名分のもとその他の人に圧力をかけるので、その他の人が少数の場合は太刀打ちできないこともあります
同調圧力は怖い
同調圧力は圧力なので、なんらかの力が働きます
それが、仲間外れであったり、いじめ、陰口、物理的な攻撃になったりします
仲間外れが職場で起こると仕事から外し、もしくは押し付けたりすることで、それが上司であれば気に入らない人を排除します
悪口になれば、それを伝染させて間接的に人を孤立させます
SNSで見られるアンチコメントとアンチテーゼの違いはアンチコメントは多数派の意見の押し付けで変化を嫌い、アンチテーゼは今までの普通への反論で、個人の主張が多いような気がします
そして、いじめ
いじめ論において、いじめられる側に責任があるという言葉がありますが、それはそれで正しいと思います
それは、いじめを肯定するという意味ではなく、いじめられ側の人って集団の中で特異なことが多いので、目立ちます
だけどその集団が居心地の良い人や目立っていることが気に入らない人にとっては脅威なので、排除しようとする。それがいじめだと思うんです
いじめられている人は個性的であるが故に排除の対象になりやすく、いじめている人はその脅威を排除しようとしているだけ別にそれって大きな枠で言ったら、毎日社会で起こっていることです
それは日本人が特に「同じ」であることを重要に思ってきたからだと考えます
同じであることで安心感を得ているので、その安心を脅かす人には恐怖を感じるのです
それは教育的な問題でもありますが、人間には恒常性維持機能という性質があるので、そもそも変化に対して怖いという感情を抱くようになっています
それが、教育によって特に際立ってしまったと思います
イノベーターの影響
同調圧力って多数はなイメージがありますが、最初は一人の意見だったと思うんです
その一人の人が声が大きい人だと周りを巻き込んで集団的になっていくんだと思います
イノベーター理論という新しい発想や技術を元に登場した商品やサービスなどの市場普及に関する理論があります
イノベーター理論では顧客を5つの分類に分けているのですが、この理論の中では市場アーリーアダプターは市場への影響力が大きく、このタイプの人への普及が流行のカギになると説明されています
このアーリーアダプターにあたる人(発言力のある人、上司、親、先生など)が集団の中で意見を言うと、彼らの意見がその集団の中で広がって、その集団の空気をつくっていきます
飲食店やコンビニでは、1人の人間のクレームを反映して、実は他のお客さんが困っていないところまで変えてしまうという話があります
クレームにおいて1人の人間がアーリーアダプター的な影響力を持っているということです
それくらい声が大きい少数の意見の影響力は大きく、数は少なくても多数の人間の意見であるかのような効果を発揮します
同調圧力が組織や集団の中で起きたらどうなるか
スケープゴート理論という言葉があります
少数を犠牲にすることで集団を維持するという考え方なのですが、これは同調圧力に似ています
集団の多数派の意見に従わないスケープゴートを排除や迫害して、彼らが損したことで、多数派の人は利益を受けるのです
でも実際メリットもあります
さっきも言ったように利益が出ること。
そして集団や組織が大きくなればなるほど同じ意見の人だけの方がコントロールしやすいということ
これは教育課程もそうですね
でもこのようなことをやっていると少数派はかなり損をしていて、その損を受け入れないと組織として維持できなかったり、その場にいることができなかったりします
同調できないと
このように同調圧力はある意味で集団から外れた人にとっては学生から社会人にかけて非常に辛い経験を強制される
それは自分が変なんだと思わされるから
自分が変でダメなやつだと思ってしまうと、和を乱す恐怖、自分がやっていることが恥ずかしくなり、自分の好きなことはよくないと思って発信しなくなり、更に自信を失っていく
そして空気を読むようになり、普通が良いという幻想を抱く
更に厄介なのが孤立していくと周りも離れているいくということ
一人でいること自体が変わっているとみなされているので、一人でいる人に近づくと自分が標的になる可能性があり(実際に標的になる)近づきたくても近づかないということが起こります
同調圧力に負けない
では、どうすればいいか
良いロールモデルとして『湯神くんには友達がいない』の主人公の湯神くんを紹介します
湯神くんは基本的には真面目で努力家な野球部のエースなのですが、マイペースで、自分の考えに従って生きているキャラクターで、タイトルの通り友達はいません。というか、友達はいらないといっているようなキャラです
友だちはいないですが、極端ながらも自分の考えに従って生きて、自分の言動に責任を持っているので、めんどくさいと思われながらも、なんだかんだ頼りになる存在として描かれています
彼は自分の好きなことや納得のいくことしかしません。少し極端かもしれませんが、それぐらいの気構えで生活してみると、周りに流されて自分が苦しくなってしまう人(僕がまさにそうです)にとって楽になるきっかけになります
漫画をみるとかなり極端だと思うんですが、生き方について参考になることが多いので是非読んでみてください。漫画自体も面白いです
マラソン大会で一緒に走ろうといって全力出すと嫌われます
それなら最初から全力で走ると言えばいい
最初にみんなと一緒だと言ってしまうとどこかでペースが合わなくなった時に、どちらかに合わせなきゃいけないし、現代の日本みたいにお互いが合わせようとしてどちらも自分の意思とは別のことをしているということになりかねません
だから最初からみんなでじゃなくていい。最初は個を確立すること。そして、一つの目的に対して個と個が自分のできることで貢献することが協力だと考えます
まとめ
同調圧力はメリットがある一方で、「同じ」であることにこだわりすぎるあまり、その集団に馴染めない人にとって人生にとって苦しい時間をつくることになります
しかも圧力をかけている方も我慢していていたり、圧力に苦しんでいる場合があるのでなかなかたちが悪いです
ですが、屈しない方法はあります
圧力をかけてくる人を変えることは難しいですが、自分が屈しない個人になることで、圧力に屈しないで、協力できるときに協力できる関係を集団と築いていけるのではないでしょうか