Give and Take を読んで
■損な役回りを引き受け続けないために
周りに対して優しくて、頼んだらだいたい引き受けてくれる人っていますよね。
本人も無意識にやっているし、周りも助けられることが多いと思いますが、いつのまにか損な役回りを引き受けてしまっている人がいるのではないでしょうか?
またそういう人を利用しようとしてくる人の餌食になってしまう人がいるのではないでしょうか?
僕はそうなることを避けるための方法を探しました。
その中で僕が読んだGive and Takeという本の中からそうならないためのヒントを探してみたいと思います。
■Give and Takeをざっくり説明
この本ではこれからは与える人こそこれから時代は幸せになるということを紹介しています。
この本の中では人のタイプを3つに分類している。
テイカー(自分の利益>他者の利益 の人)
マッチャ―(自分の利益=他者の利益 の人)
ギバー(自分の利益<他者の利益 の人)
です。
さらにこの本ではギバーを自己犠牲ギバーと他者志向ギバーに分けています。
自己犠牲ギバーは与えるうちに自分が傷ついていく人達で、他者志向ギバーは与えながらも自分の利益追求も忘れない人たちのことです。
この本では幸せになりやすいギバーは他者志向ギバーであると言っています。
いわゆる「いい人」と言われる人は自己犠牲ギバーであることが多いと思います。
自己犠牲ギバーは「あいつは頼んだらやってくれる」「断れないから押し付けちゃおう」という対象になりやすいことや、燃え尽き症候群になりやすいことから幸せに生きることや幸せを感じることが難しいかもしれないと思いました。
そこで自己犠牲ギバーが与えてかつ、それをやって利用されないようにするにはどのような対応すれば自分にも相手にも良い影響を与えられるのかを考えてみました。
■どうすれば自己犠牲ギバーは幸せになれるのか
1 できないことで貢献するのをやめる
相手にとってどんなにニーズのあることでも自分が現状できないことまで引き受けて与えようとするのは一見良い行いなように見えるがそれは結果として自分を苦しめることになるかもしれません。
自己犠牲ギバーの場合自分にとって不得意なことや、現状無理なことでも引き受けてしまっているのではないかと思う。それによって自分はあまり得られるものが多くない状態になってしまう。また、それが常態化してきてしまうと自分にとって不利益なことをやり続けなくてはいけなくなるかもしれません。
つまり自分のニーズを損なっている状態になってしまいます。自分のニーズを無視してやった貢献があたりまえになり、それが常態化したら長期的にもダメージを受けることにも繋がります。
そこでできないことはできないとはっきり言うことが大切だと思います。相手の求めに対してやったことないことや苦手なことをしたり、自分に必要な時間を削らないようにすることを心掛けるといいと思います。
またいつ親切をするのかを決めておくのがいいでしょう。
ずっと親切をしていたら自分のやりたいことに手が付けられなかったり、常時親切な人はそれがあたりまえになって相手は途中からそれがあたりまえだと思い込んでしまうかもしれません。
そうならないために他人に親切をするタイミングを決めておくのも一つの手だ。それは夜仕事が終わった後でもいいし、休憩している時間でもいい。とにかく時間を決めてやってみましょう。
まとめてやることで自己の満足感もあがり、モチベーションを維持できるとこの本では紹介しています。
2 価値観を明確にする
また僕の考えとして優先順位を明確に持っておくことも重要だと思います。自分にとって大事なことはなんなのかを把握しておくことも大事です。
価値観とは何に大事にするか、優先するかということです。
仕事を優先するのか、家族を優先するのか、趣味を優先するのかみたいに自分にとって何が大事なのかを自分の中ではしっかり持っておくこと。これは人それぞれです。
自分の価値観ではなく相手の価値観の中で生きていくことになれば当然自分のニーズは損なわれていきます。
3 人を見る目を養う
自己犠牲ギバーはかなりの確率でババをひいています。特にテイカーにとっては格好のカモになっているかもしれません。そういう人からは離れた方がいいのですが、ギバーは人を信用しやすいらしくそういう部分でも悪いテイカーにひっかかりやすい。またテイカーは表面上は信頼できる人であるため信用を得やすいらしいです。
そういう人たちを避け、自分にとって大事な人にギブするにはテイカーを見抜かなければなりません。
そして誰に多く親切をして、誰に少ない少ない親切をするのかを自分で決めていく必要があります。一見しただけじゃ相手がテイカーなのか、ギバーなのかわからない。ギバーを装ったテイカーもいるし、その逆の人もいると思うので。
そのためにはいろんな人をみて自分で判断していかなければいけないですね。
個人的にこの人を信用したくないなと思う人は、利用しようとする人、管理する人、恩着せがましい人、観察評価をしてくる人、心掛けていることを口にしてくる人です。
4 なによりも自分を大事にする
相手のニーズを叶えることはもちろん良いことだけど、それ同じくらい自分の望みにも忠実になることが大事。
自分の欲しいもの、叶えたいことにもちゃんと目を向け自分を大事にすることを心掛けること。
自己犠牲的な人はもしかしたら自分がいなくても最悪なんとなると思っているのかもしれないけれど、そんなことはなくて相手に少なからず影響を与えている存在であるということを認識しないといけません。
それに与えてもらったほうも親切にしてくれた人が潰れちゃったら悲しい気持ちになると思います。
5 助けを求めること
これができないのが「いい人」の特徴が気がするけども、確かに克服すべき点かなと思いました。この本によれば自己犠牲ギバーの場合は他者志向ギバーよりもサポート受けることが少ないそうだ。
人に助けを求めるというのはもしかしたら勇気のいることかもしれないけれど本当にダメになる前に助けを求めることも練習しておいていいと思います。
この本にも書いてあったけど自分が思っている以上に人はひとりでは生きていけません。
■ギバーの心がけ
話が少しそれますが、この本の中で出てきた話で個人的に重要だと思ったところをピックアップします。それは視点のズレについてです。
自分にとって価値があるものが、他の人にとっても同じように価値があるものとは限りません。それがわからずに自分基準で考えてしまうと押しつけがましい人になってしまいます。
そうならないために相手目線に立たなければいけないと思います。これが難しいのですが。
また人は自分のやったことを評価し、他者のやったことを低く見積もりやすいらしいので仕事の関係者や家族、恋人関係を円満にしたいなら気を付けないといけないですね。
■では何を与えればいいのか?(追記:2020/8/28)
自己犠牲ギバーにならないようにするには、持っているものを分類し、与えていいものと、ダメなものを知っておく必要があります。
まず、自分の持っているものを分類すると、
・情報的資源(知識や経験、そのまま情報など)
・社会的資源(人脈や所属しているもの)
・個人的資源(労働力)
に分けられます。
書き方的に露骨に差別しているのでわかっちゃうと思いますけど、まず与えるものとして検討すべきは、情報的資源と社会的資源です。
なぜなら、これらの資源は減らないからです。
情報を与えたら、自分は忘れるってことはありませんよね。
一方、与えることに慎重にならなければいけないのは、個人的資源です。
なぜなら、労働力を提供すると、自分の持っている時間は減るからです。
自己犠牲ギバーになりがちな人は、個人的資源を与えてしまいがちです。
それはすごく優しいことですけど、与えぎると自分が苦しくなってしまいます。
■最後に
僕自身もいつの間にかいろんなことを抱え込んでしまうタイプで昔から「いい人」「優しい」と言われてきたので、搾取されることもあったし、自分をどんどん追い込んでしまいこのまま幸せに生きていくことはできないんだろうかと悩んでいたのでこの本に書かれている方法を実践し自分にも相手にも利益になるような行動を心掛けていきたいと思います。
まとめ
自己犠牲ギバーの対応
1できることで貢献する
2価値観を明確にする
3人を見る目を養う
4自分を大事にする